『ユア・ラヴ』シングル盤 『ユア・ラヴ』
アウトフィールド
"Your Love"
Outfield
Debut 1986.3 / Peak Position 6
 MTVのお陰で楽曲の良さだけがヒットの条件でなくなった時代... だがそれでも印象深いメロディやフレーズに心を奪われた、そんな楽曲の想い出が70年代〜80年代のヒットソングとリンクしている...。

 軽快なギターのコード刻みにいきなり入る高音のボーカル。少しハーモニーも聴かせたところで他の楽器が入ってくる。しかしメインは鮮やかなアルペジオを奏でるギター。柔らかいコードストロークを混ぜながらの展開部とロックな部分のバランスが良い。時は80年代、一聴するとポリスか?と思ってしまう音感だが、一方仕上がりは非常にアメリカ的でいかにも巨大マーケットにも受け入れられそうな楽曲である。この『ユア・ラヴ』を演奏するのはアウトフィールドというトリオ編成のバンド。中心となるのはボーカル、ギター、ソングライティングを担当するジョン・スピンクス。バンドは予想に反して英国出身である、なるほどポリスみたい!という声が上がったのも無理もない。だがロックの求道者然としたポリスとは違いこちらは非常に分かりやすいロック/ポップスを我々に提示してくれた。この『ユア・ラヴ』は彼らのデビュー曲で全米6位を記録したが、以降も「オール・ザ・ラヴ」(19位)「遙かなる想い」(31位)「ヴォイス・オブ・バビロン」(25位)「フォー・ユー」(21位)と優秀な成績を収めた(この曲を収録した「プレイ・ディープ」もかなりよく出来た作品集。当時結構ハマった...)。それでも残念ながら今はほとんど忘れられたバンドであり、地道に活動を続けていたようだが昨年2014年7月に中心人物であるスピンクスが亡くなってしまいその役割を終えた。死因は肝臓癌で享年60歳。ひとつの時代を楽しませてもらったファンの一人として彼の冥福を祈りたい。

 この曲がヒットチャートに登場した1986年3月は3年間勤めた最初の勤務先を退職、今の勤め先に転職した頃。この頃の大きな出来事と言えばスイス(スイス連邦)が国民投票において国連(国際連合)加盟を否決したことであろうか。スイスの首都ジュネーブと言えばWHOをはじめ国際機関の本部が多数置かれているが何故に? 永世中立国だから、というのがその理由のようだが2002年の国民投票で190番目の加盟国となった。一方私の転職は吉だったのか凶だったのか... 最近のニュースを見る限りしがみついていたらいたできっと肩叩きをされているに違いないから多分吉だったのだろう。
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