What is "Re-Born" ? WHAT IS ? CONTENTS SINGLE RELEASE MAKING PROCESS H.OKUI COMMENT

『Re-Born - 再生』 ※ジャケットデザイン:奥井弘「支離滅裂」「支離滅裂・第二章」の二作に渡って音楽的やりたい放題をしでかしリスナーを翻弄した洛東UNDERGROUNDは次は一体どこに向かうのか... ファン達の大きな関心事がようやく具体的な形になって登場した。新作の名は『Re-Born - 再生』。


今回の作品コンセプトは文字どおり“生まれ変わる”こと。また新しい出会いや誕生の源となる“別れ”“死”、さらに新しい生命の誕生そのものも包含される。お馴染みデザイナー奥井弘が手掛けたジャケットには廃墟となったヒロシマが垣間見えるが、活力溢れる現代の都市(京都か?)も並行して描かれ作品コンセプトを鮮やかに具現化してみせる。


一方音楽的には各自が新しい(またはリニューアルされた)楽器を手にし前二作とは異なるアプローチを行っている。特にアコースティックな音に力点が置かれており、楽曲自体も味わい深いものが多い。聴こえてくるサウンドにはある種の余裕すら感じられる完成度の高い作品集に仕上がっている。


シングル『生まれてくる君』

今回も恒例の同時リリースシングルは「生まれてくる君」。すっかりメンバーとして定着し活躍しているベーシストの上南雅博の作品が初シングル化。この曲自体はアルバムと同じバージョンであるが、他に別バージョン曲を3曲カップリング、またしてもファンならずとも手元に置いておきたいアイテムとなっている。


前二作とうってかわって深淵なるRUGワールドが展開される『Re-Born - 再生』。楽曲、歌唱、演奏などいずれをとっても一部では“最高傑作”との呼び声もある待望の新作である。心ゆくまでお楽しみいただければ幸いである。




Contents Of "Re-Born" WHAT IS ? CONTENTS SINGLE RELEASE MAKING PROCESS H.OKUI COMMENT

まずは収録曲、簡単な曲目紹介を行う。尚、作品通じて基本となるパーソネルは以下のとおり。

 A.Hashimoto .... Vocals / Electric and Acoustic Guitar
 M.Morioka .... Vocals / Acoustic Guitar
 M.Johnan .... Vocals / Bass
 T.Yamaguti .... Vocals / Acoustic Guitar / Keyboard / Rhythm Programming

1.足が多すぎる Too Much Legs (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
 T.Yamaguti .... Vocal / Banjo Section
 A.Hashimoto .... Electric Guitar (Solo)

アコースティック主体? 深淵な世界? どこがやねん!という怒りの声が聞こえてきそうだ。いきなり「ミステリー・ゾーン」のテーマからハードなギターの刻みに突入するロックナンバーで作品集は幕を明ける。歌われる内容も百足の襲来を受けた主人公が非常事態を宣言し... という彼ら得意のコミカルな実話ソング。だが干からびて死んでいる百足を見つけた主人公はほっと一息をつくが危機は本当に去ったのであろうか? これもまた“再生”のバリエーションである。そして何よりこの段階でリスナーは見事にRUGのフェイントに引っかかってしまう訳である...。

2.少年兵(アコースティック・バージョン) Child Soldier (Acoustic Version) (Words and Music By A.Hashimoto)
 M.Morioka .... Vocal
 A.Hashimoto .... Acoustic Guitar (Solo)

一転して早くも本作白眉の楽曲登場。過去にも世界の悲惨な現状を歌にしてきた橋本が今回は兵士に仕立てられていくイスラム圏の少年達をテーマにした作品を発表。当初は後で出てくるエレキ・ギターを中心とした楽曲だったが、2バージョン録ろう、という上南の提案がきっかけで誕生したアコースティック・バージョン。橋本がこの作品集を念頭に置いて入手したオベーションのエレアコ・ギターによる素晴らしいソロ・プレイが聴ける。また森岡のボーカル、上南にしては珍しいピック弾きによるソリッドなベースなど聴き所の多い作品。

3.突然に Suddenly (A Rainy Day In The Life) (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
 M.Morioka .... Vocal
 A.Hashimoto .... Acoustic Guitar (Solo)

森岡の作品である。しかしどこかで見たタイトルだが? 実は“A Rainy Day In The Life”は「ミート・ザ・リザルト!」収録曲名(「人生は雨の日」。作曲は橋本)。この歌詞を眺めていた森岡はその時の悲痛な心境にぴったりだ、としてその歌詞を使って新しい曲を仕上げてしまった。別れをテーマにしている上に無機質なリズムボックスをバックに配したためか余計にもの哀しい雰囲気が漂うが、それを歌いきる森岡の力量はさすがである。尚、「突然に」というタイトルはさすがに同じ曲名では話がややこしいだろう、と山口が後で付けたもの。

4.涙のサード・ロード Third-Line Road (Words and Music By T.Yamaguti)
 T.Yamaguti .... Vocal / Digital Sax
 A.Hashimoto .... Electric Guitar (Solo)

こちらも別れをテーマにしたありがちな雰囲気の曲。作者・山口によると曲の方はビリー・ジョエルとブルース・スプリングスティーンを意識して書いたらしく、結果として終盤の流れるようなギター・ソロと併走するコーラスワークなどロイ・オービソンあたりに通じるノスタルジックな仕上がりとなっている。尚、“サード・ロード”という邦題は橋本の命名。原題の本来の意味は京都の中心部を東西に抜ける“三条通り”らしい。そうであるなら歌詞には動物園や坂や紅葉が出てくるので岡崎・蹴上あたりが舞台であろうか。

5.追憶の彼方へ Old Pages (Words and Music By T.Yamaguti)
 T.Yamaguti .... Vocal / 12-Strings Electric Guitar
 A.Hashimoto .... Electric Guitar (Solo)

これも別れをテーマにした曲だが歌詞に“Yesterday”“Today”“Tomorrow”が順番に出てくるあたり“再生”的である。曲の方はバーズあたりのフォークロック風のアレンジとなっており、上南が入手した12弦エレキギターを山口が弾いている(残念ながら演奏レベルが低く狙った効果は出ていないが)。しかしあくまで聴いた印象はアコースティックなものでRUGらしいコーラスも楽しめる。

6.生まれてくる君 You'll Be Born (Words By T.Yamaguti / Music By M.Johnan)
 M.Morioka .... Vocal
 A.Hashimoto .... Acoustic Guitar (Solo)

本作中最もよく出来た作品。上南にとってはタイ人の友人のこれから生まれてくる娘さんに捧げる歌であるが、生誕もまた“再生”のバリエーションに違いない。優しく歌い上げる森岡のボーカル、アコースティック・ギターによる美しい橋本のギター・ソロ、流れるように演奏される上南のベース... いずれも高い水準を示しており、橋本作品を始め他の作品を押さえてシングルに選ばれたのも納得できる仕上がりである。尚、シングルにはこのバージョンがそのまま収録された。

7.青い竹の椅子 Blue Bamboo Stool (Words and Music By T.Yamaguti)
 M.Morioka .... Vocal / Kazoo
 A.Hashimoto .... Electric Guitar (Solo)

亡くなるまで湖のそばのログキャビンで青い竹の椅子に座って暮らしていたニールおじさんが主人公の歌で、多分親戚か近所の子がその姿を懐かしむ。これもまた“再生”的だ。演奏の方は典型的なカントリー・ナンバーで森岡が久々にカズーを元気よく演奏?している。ちなみにカントリーはRUG得意の演奏パターンであり演奏はもちろんコーラスに至るまである意味安心して聴ける。ちなみにここで歌われる汽船が就航する湖は五大湖を指すのだろうか?

8.再生 Re-Born (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
 M.Morioka .... Vocal
 A.Hashimoto .... Acoustic Guitar (Melody)
 T.Yamaguti .... Violin Section

本作のメインテーマの登場。宗教戦争や第二次世界大戦、東日本大震災まで俯瞰するスケールの大きな歌詞に負けない橋本の重厚なソングライティングが素晴らしい。感情を抑えた渋い森岡のボーカル、プログレッシブ・ロックの影響を感じさせながらも着実にリズムをキープする上南のベース、アコースティック・ギターとバイオリンで奏でられる橋本考案のソロ・メロディなど、“Re-Born...”と繰り返される森岡考案のコーラスもまた耳に残る聴き所満載の一曲。

9.僕は回っている I Keep On Turning (Words and Music By T.Yamaguti)
 T.Yamaguti .... Vocal
 M.Morioka .... Vocal / Harp
 A.Hashimoto .... Electric Guitar (Solo)

スケールの大きいボブ・ディラン風のフォーク・ソング(ハープやギター・ソロの入り方などかなり意識している?)。同じパターンが繰り返されるにも関わらず全体では7分を越える演奏となっている(公式に録音された楽曲の中では恐らくRUG史上最長)。無常感が漂う少し哲学的な歌詞が用意されており、ただただ世界が周り自分もまわり、その傍らで再生が繰り返されていく、ということのようだ。特に森岡のダブル・ボーカルが利いている。

10.少年兵(エレクトリック・バージョン) Child Soldier (Electric Version) (Words and Music By A.Hashimoto)
 T.Yamaguti .... Vocal
 A.Hashimoto .... Electric Guitar (Solo)

先に紹介した「少年兵」のエレキ・バージョンである。橋本自身はこの曲を書いた時にこのアレンジを意識していたとのことでやはりギター・ソロを中心とした演奏は迫力がある。ボーカルが一本調子で今イチなところが唯一の難点、という素晴らしい作品。

11.ある少年の日常 One Boy's Usual (Words and Music By A.Hashimoto)
 M.Morioka .... Vocal
 A.Hashimoto .... Acoustic Guitar (Solo)

優れた作品を生み出す橋本の才能が発揮された楽曲である。フォーキーなRUGらしい演奏に乗って森岡のボーカルが映える。また橋本のアコースティック・ギターによるソロも味わい深い。かくして内容が非常に充実した作品集『Re-Born - 再生』は幕を下ろす。

Single Release With "Re-Born" WHAT IS ? CONTENTS SINGLE RELEASE MAKING PROCESS H.OKUI COMMENT

作品集『Re-Born - 再生』リリースと同時にシングル「生まれてくる君」もリリース。以下にこちらの簡単な紹介を。

1.生まれてくる君 You'll Be Born (Words By T.Yamaguto / Music By M.Johnan)
※アルバム・バージョンと同じものを収録

2.少年兵(エレクトリック2) Child Soldier (Electric 2) (Words and Music By A.Hashimoto)
 M.Morioka .... Vocal
 A.Hashimoto .... Electric Guitar (Solo)

演奏はアルバム収録のエレキ・バージョンだが歌っているのは森岡、という変則ミックス。なるほどこれが一番しっくりくるのではないか?

3.突然に(自然ミックス) Suddenly (A Rainy Day In The Life) (Natural Mix)  (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
 M.Morioka .... Vocal
 A.Hashimoto .... Acoustic Guitar (Solo)

リズムボックスを通常のドラムキットに変更、キーボード類も廃しシンプルな形にリミックスしたバージョン。しかしどんなアレンジであってもこの作品の持つ魅力は何ら失われることはない、ということが良く分かる音源である。

4.チャームへ To Charm  (Music By M.Johnan)
 A.Hashimoto .... Acoustic Guitar (Solo)

「生まれてくる君」のインストゥルメンタル・バージョン。ピアノやシンセサイザーがメロディを担当する。尚、“チャーム”は“charming”から来ている生まれてくる娘さんに付けられたニックネーム。尚、彼女は無事生まれすくすくと育っているとのこと。

Making Process Of "Re-Born" WHAT IS ? CONTENTS SINGLE RELEASE MAKING PROCESS H.OKUI COMMENT

『Re-Born - 再生』誕生の軌跡について。

2014/01/04
まだ前作「支離滅裂・第二章」の録音が行われていた頃。RUGの4名とサポートメンバーであるデザイナー・奥井弘がインド料理店(ナマステタジマハール)に集まり新年会を開催した。自ずからこの時点で完成に漕ぎ着けていない前作の話題が中心になったが、この時点で次作のコンセプトは“Re-Born”または“Bottom Up”にしてはどうか?という話が出た。元々は埋もれた作品を復刻することが主題だったようだが... いずれにしても本作の出発点はこの時点とするのが妥当と思われる。

2014/05/11
まだ前作の録音が行われている最中、橋本の姿が十字屋(京都の楽器店)で目撃され、以前から狙っていたオベーションのエレアコ・ギターを購入したことが明らかになった。まだ次なる作品集“Re-Born”(または“Bottom Up”)の明確な方向性は決まっていなかったが、リーダー橋本のこの行動がその方向性を決定づけたと言えるかもしれない。

2014/06/08
橋本の機材強化に影響を受けたのか、上南が新たしい楽器を入手した。2010〜2011年頃には立て続けにベースギターを買い漁った上南だが今回は12弦のエレキ・ギター。何故に? しかしここでも次作の方向性が無意識のうちに彼の行動に影響したのではないかと思われる。この報告をした時、上南は一言“面白い音がします”とコメントしている。

2014/07/26
ようやく「支離滅裂・第二章」の録音が完了しほっと一息のRUGの面々。しかしいつまでも休んでいてはいかん!ということで“ビアホールの会”の名目で打ち合わせを行った(場所はお好み焼きの店、ここやねん)。新作は“Re-Born”のタイトルのもとアコースティック寄りの作品にすること、2015年12月完成を目標とすること、1回の録音でコーラス以外全て録り終える制作方法でいくこと、お盆までに各自新曲発表に向けて準備すること、などが申し合わされた。また上南より新曲の準備が進んでおり「人生の四季」(Four Seasons Of Life ?)という曲名の予定だ、ということも報告された(しかし後に制作の間延びが影響して忘れてしまった、と報告され幻の作品となる...)。

2014/12/28
この日、森岡邸付近の小洒落たダイニング(ダイニングMoo)でRUG4名+デザイナー・奥井弘の姿が確認された。恒例の忘年会が実施されたのだが、プライベートで超多忙な橋本は実に久々の参加だった(8月のお盆の会以来?)。当然新作の準備は全く進んでいない。

2015/03/14
この日、ワタナベ楽器で山口が目撃される。TAKAMINEのエレアコ・ギターを購入したとのこと。しかしこの行動はいよいよ活動が開始されるのではないか?という憶測を呼ぶものとなった。尚、新しいギターの購入について山口は“逆・弘法筆を選ばず。何を弾いても大した音になりませんので...”と述べたという。

2015/03/29
昨年購入したオベーションのエレアコ・ギターを持って橋本が山口邸を訪れる。当初予定を半年遅れて新曲発表が行われた。この日発表されたのは「足が多すぎる」「少年兵」「ある少年の日常」。またこの段階では二人の間で録音開始は7月か?という話になっていたようである。

2015/04/11
この日上南邸に橋本と山口が訪れ新作に関する打ち合わせを行った。選曲について橋本からは“アコースティックを主体とする作品というこで最近発表された曲はそれを意識したものが多い。よって最近の曲を重点的に選ぶべきである”というリーダーらしい発言があったとされる。また収録曲は12曲としとりあえず10曲(橋本4、山口4、森岡と上南各1)を決定して録音に取りかかりたい、という話も出ていたようである。

2015/04/29
橋本が再び山口邸を訪れる。この日は手ぶらであったが山口のエレアコ・ギターを借りて新曲「再生」を発表。これで橋本の4曲は確定。またこの日、事前に行われていたアンケート調査の結果が出て山口の4曲も確定となった。早速山口により下音作りが開始された。

2015/04/30
森岡が“エレガッド・ギターが破損!”という報告をfacebookのRUG専用スレッドにアップするとともに近くの楽器店に修理と調整に出したことを明らかにした。結果として近日開始されるであろう録音に向けてのリニューアルとなる(これも“Re-Born”か?)。

2015/05/05
この日、上南が新曲発表を行う。この段階では歌詞はついていないが、まだ新曲を発表していない森岡にプレッシャーのメッセージを送るとともに“7月ぐらいには演奏隊も録音に入れたら...”と新作にかける思いを述べたとのこと。

2015/05/06
上南のメッセージに発奮したのか森岡も新曲発表を行う(発表はメールにて山口に音源とコード表を送付する、という形で行われた)。しかしこの歌詞、ほとんど「人生は雨の日」のまんまですけど? いろいろ混乱が起こったが最終的にタイトルだけ「突然に」とすることで決着をみたようだ(実は何も解決していないのだが...)。

2015/05/17
ITをフル活用して下音の制作、ボーカル割の決定、ボーカルキーの決定が進められる中、橋本が姪御さんの結婚式に臨んだ。これでプライベートのどたばたも少しは緩和されるのか???

2015/05/31
この日、橋本が山口邸を訪れ最終の打ち合わせを行った。6月14日には歌唱隊の録音を行うことを内定。また橋本は“7月は副業が忙しいので何とか6月に演奏隊録音で2曲はクリアしたい”とコメントしたとされる。尚、昨年7月に決定した“1回の録音でコーラス以外全て録り終える制作方法でいく”は完全になし崩しとなり、ボーカルとバッキングを録り、別の日にギター、ベースを録る従来方式でいくことが暗黙の了解となる。

2015/06/08
橋本の発言を受けて?上南がベースの弦を張り替えたことをfacebookのRUG専用スレッドで公表。歌唱隊の録音が完了したら速やかに演奏隊も参画する心構えのようである。

2015/06/14
2014年1月から1年半、ついに『Re-Born』の録音がスタート。この日は第一回歌唱隊録音ということで森岡、山口によりボーカルとバッキングの録音が実施された。課題曲は森岡ボーカル曲を中心に「足が多すぎる」「少年兵」「ある少年の日常」「再生」「突然に」「青い竹の椅子」「涙のサードロード」の7曲(「少年兵」は森岡、山口がそれぞれボーカルを録ったので8バージョン)をクリア。

2015/06/18
さあ次は演奏隊だ!というところでいきなり上南入院の報が入る! 急性胆嚢炎で自ら病院に駆け込みそのまま入院になったらしい。尚、6月21日には山口が見舞いに訪れた。結局大事には至らず6月23日には退院...。

2015/07/26
しかし上南の入院事件で演奏隊録音はしばし足踏みとなった。その間隙を縫って第二回歌唱隊録音が実施される。「生まれてくる君」「僕は回っている」「追憶の彼方へ」を片付け当初予定の10曲分のボーカル/バッキング録音を完了。

2015/08/29
当初宣言どおり7月は橋本が副業で忙しかったため第一回演奏隊録音は8月になってしまった。本作はアコースティック・ギターのウェイトが高いのだが、スタートは手慣れたエレキ・ギター主体で、という山口の配慮によりこの日は「足が多すぎる」「青い竹の椅子」の2曲が録音された。

2015/09/13
上南もすっかり元気になり第二回演奏隊録音が実施された。この日はオベーションのエレアコ・ギターが録音に初登場。「突然に」「生まれてくる君」の2曲で橋本の素晴らしい演奏が記録された。またこの日山口邸に上南の12弦エレキ・ギターが持ち込まれた。

2015/09/20
この日“打ち合わせで軽く一杯の会”と称した会合(もつ鍋の亀八にて)が行われた。当初12曲と言っていた『Re-Born』は10曲でまとめることに決定。またシングルは上南の作品(「生まれてくる君」)を初採用することになった。

2015/09/21
上南が持ち込んだ12弦エレキ・ギターを山口が単独で録音。曲目は「追憶の彼方へ」。噂では技術がついていかず何回か小分けして継ぎ接ぎ録音を行ったというが真相は不明。

2015/10/17
順調に月一回のペースで進む演奏隊録音、第三回は再びエレアコ・ギターが持ち込まれテーマ曲である「再生」および「ある少年の日常」が録音された。このペースで行けば演奏関係は全て年内で完了できそうである。

2015/11/28
順調に第四回演奏隊録音。この日は再び橋本がエレキ・ギターを担当、「僕は回っている」「涙のサード・ロード」が完了となる。またこの日の夜には“紅葉の会”と称して慰労会も行われた(場所はタイ料理の店、バーン・タイ)。

2015/12/23
ついに第五回にして最終の演奏隊録音を実施。この日はエレキ・ギター、エレアコ・ギターとも持ち込まれ「少年兵」2バージョン、「追憶の彼方へ」の録音が完了。昨年7月時点の計画では今頃に作品集自体完成することになっていたが、何はともあれあとはコーラスを録ればよい、というところまで進んだので良しとしよう。

2016/01/31
1月はそのままスルーになるかと思われたが森岡の予定がかろうじて合い月末の日曜日に第一回コーラス録音を実施。本作からは上南もコーラスに参加する、ということで4人揃って「足が多すぎる」「少年兵」「涙のサード・ロード」「追憶の彼方へ」「僕は回っている」の5曲が完成となる。尚、本作からは事前にガイドコーラスを録音しておき、それを流しながら皆がコーラスを録る、という荒技が採用されたが効果の程は絶大のようである。

2016/02/13
第二回にして最終のコーラス録音。前回好評だったガイドコーラス作戦を今回も実施すべく皆が揃うより早く森岡に来てもらいガイドコーラス録りを先行、その勢いで「ある少年の日常」「再生」「突然に」「生まれてくる君」「青い竹の椅子」のコーラスを4人で録音。特に裏テーマ曲「生まれてくる君」とメインテーマ曲「再生」はかなり手強い、ということで相応の時間を見越して予定が立てられていたが備えあれば憂い無し。結局この5曲を約2時間弱で録音完了。かくして『Re-Born - 再生』は完成した。最初にタイトルが話題に出てから2年強、作品用の新曲が始まってからでも1年弱の時間を要した畢生の大作である...。

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最後にジャケットデザインを担当した奥井弘が語る“再生”とは...

『Re-Born - 再生』オリジナルデザイン 焼け野原からの街造りは再生と言うより新生にちかいかな?

 そして新生された街はそのあともスクラップ&ビルトを繰り返す。

 生命体の細胞が生と死を繰り返すように街も生命体なのかも
 しれないね。


ご拝読、ありがとう。では中身の方もお楽しみ下さい。